子どものための草の根支援:3/11東日本大震災

2011年3月11日に東日本を襲った大震災と津波のニュースに接したUK支部のあちこちの文庫では、子ども達の学校や地域のコミュニティと一緒に被災地支援のための募金イベントなどを即刻企画し、 相当な額の募金が集まりました。地域の日本人は言うまでもなく英国人からの多大な支援があったのは、日頃から地域でのネットワークが育っていた賜物です。この未曾有の大災害の復興は一朝一夕に遂げられるものではありません。ICBAは特に幼い子ども達をお互いに顔が見える形で、長期にわたって支援したいと考えました。それが「草の根支援」と名付けた所以です。

支援先や支援方法が決まるまでに約2ヶ月がかかりましたが、友人のアメリカ人を通して出逢ったのが,岩手県山田町龍昌寺の清水誠勝ご住職の管下にある保育園でした(山田町第一保育所、豊間根保育園、織笠保育園)。

ご住職は大変ユニークな方で、最初に支援のためには何を送るのがよいかを電話で伺うとすぐに『子どものための英語の絵本』というお答えでした。保育園の子ども達は英語を習っている由です。龍昌寺が決まる以前、震災直後に集まった支援金は赤十字を通じて被災地に送りましたが、その後は「草の根支援」に専念しています。

主としてMrs.Dunn が選んだ絵本を、毎年3月11日には三つの保育園に届けており、また文庫の子ども達の手作りカードも3月11日,クリスマス・新年などに送るのですが、山田町の子ども達からも同じように手作りカードや写真などが送られて来て、楽しいカードによる交流を続けています。ご住職はこのカードを「友情カード」と名付けて下さいました。被災地訪問や被災地からのイギリス訪問が実現する日があることを楽しみにしながら、このささやかな交流が続くことを願っています。

(森嶋瑤子記)